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「認知症について」

アルツハイマー病型認知症とは
アルツハイマー病認知症とは
アルツハイマー病は海馬にβアミロイドが蓄積沈着し、海馬が委縮して起こるというのが今の仮説の有力なものです。もちろん、この図のような崩壊が起こる以前に、認知症は始まっています。

認知症の世界と日本の状況
急速に増加している認知症の患者数は2013年のアルツハイマーレポート(国際アルツハイマー報告書)によれば現在3,500万人と報告され、2030年には2倍の7,000万人、2050年には3倍以上の1億1,500万人に及ぶと推計されています。

日本においても、平成22年厚生労働省の認知症高齢者の現状によれば、認知症有病者数は約439万人、全国のMCI(正常でもない、認知症でもなく正常と認知症の中間にいる人たち)は380万人と推計されています。介護保険制度を利用している認知症高齢者約280万人と推計されて、認知症対策は重要な国家戦略と考えられています。また、認知症の原因としてはアルツハイマー病が最も多いとされています。

プラズマローゲンとは

プラズマローゲンというのは抗酸化作用を持った脂質の中のリン脂質の一種で、グリセロリン脂質の一つです。プラズマローゲンは哺乳動物の全ての組織に存在し、人体のリン脂質の約18%を占めますが、特に、脳神経細胞、心筋、リンパ球、マクロファージ等に多く含まれています。

通常のリン脂質、ジアシル型はSn-1の所がエステル結合していますが、プラズマローゲンはビニールエーテル結合しているというのが特徴です。この結合している違いだけで、画然たる機能の差が出てくるという事も分かっています。
新たなプラズマローゲン含有食品

ホタテ貝プラズマローゲンは、鶏プラズマローゲンに比較してDHA※、EPA※※などの不飽和脂肪酸を多く内包しています。
※DHA(ドコサヘキサエン酸の略称)※※EPA(エイコサペンタエン酸の略称)
DHA/EPAはn-3系(オメガ3系)多価不飽和脂肪酸で、どちらも体内で合成できないため食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸です。

ご挨拶
プラズマローゲン研究会は、膜成分の一つであるグリセロリン脂質の中でも、特異的な構造および機能をもつプラズマローゲン (Plasmalogen)の生理作用を明らかにする目的で、基礎および臨床研究者によって結成されたコンソーシアムです。
プラズマローゲンの研究は、その高純度抽出技術がレオロジー機能食品研究所(研究会メンバー)により開発されたことから一段と飛躍し、抗神経炎症作用、抗アミロイド作用および抗神経細胞死作用などが明らかになってきております。さらに最近ではアルツハイマー病患者に関して小規模ながら単盲検臨床試験でヒトでの有効性が確認されつつあります。
その作用機序や臨床応用については今後の研究が期待されます。本研究会によってさらなる研究の発展が、効率よく行われることを期待いたします。
九州大学名誉教授 大村 裕

間の体には、色々な種類のリン脂質が存在しています。プラズマローゲンもその1種。人間の体にあるリン脂質の18%の割合を占めています。
リン脂質は脳内にも多く存在していますが、アメリカの研究で、アルツハイマー型認知症の患者はこのプラズマローゲン量が低下していることがわかりました。
記憶したり考えたりする機能を、コントロールする役割をもったプラズマローゲン。脳へのストレスや老化により減っていってしまうプラズマローゲンを補い、脳の働きを活性化していくことが、認知症の予防につながるのです。
日本では、2003年頃から研究を開始。これによって、これまで難しいといわれてきた人への投与ができるようになり、新たな治療の可能性が広がってきたのです。