メンタル・ヘルスとジェネリック医薬品
【1】うつ病(Depression,D,F32))とジェネリック医薬品
うつ病…脳内の感情や思考を司る神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンが不足し、精神活動が不活発になることが原因で、気分がうつ状態になると言われている。抗うつ薬は、神経伝達物質のやりとりをスムーズにし、活力を高める効果があると言われている。
(山田正明、『介護に役立つ薬の知識』p.57…脳が発達途上の若者、薬剤に敏感な体質の人は、副作用が強く現れる場合もある。抗うつ薬の副作用に対しては、厚労省は2009(平成21)年5月、抗うつ薬の添付文書にはその副作用について明確に記載するように制約会社に警告している。)
・抗うつ薬…脳内の神経伝達系(セロトニン、ノルアドレナリン系)に作用→個人差はあるが効き目は1~2週間後
・抗うつ薬の化学作用・作用機序による5分類
一般名 | 商品名 | ジェネリック医薬品 | 製薬会社 | |
三環系 | アモキサピン | アモキサン | ||
四環系 | マプロチリン | ルジオミール | ||
SSRI | フルボキサミンマレイン酸塩、
バロキセチン塩酸塩水和物 塩酸セルトラリン |
デプロメール、ルボックス
パキシル ジェイゾロフト |
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SNRI | ミルナシプラン | トレドミン | ||
NaSSA | ミルタザピン | リフレックス |
- cf) SSRI…選択的セロトニン再取り込み阻害薬。セロトニンの働きを高める。SNRI…セロトニン・ノルアドレチリン再取り込み阻害薬。セロトニンの他にノルアドレナリンの働きを高める。→抗うつ作用が強く、副作用が少なく、即効性がある。
【参考】
- 認知症…アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、軽度認知症、、認知症を伴うパーキンソン病、(脳)血管性認知症
抗認知症薬
一般名 | 商品名 | ジェネリック医薬品 | 製薬会社 |
塩酸ドネジピル | アリセプト | ||
ガランタミン | レミニール | ||
リバスチグミン | イクセロンパッチ、リバスチグミンパッチ | ||
メマンチン | メマリー |
- 統合失調症(Schiziphrenia,SZ,F20-29)
非定型性抗精神薬
一般名 | 商品名 | ジェネリック医薬品 | 製薬会社 |
リスペリドリン | リスパタール | ||
オランザピン | ジプレキサ |
- パニック症(Panic Disorder,PD,F41.0)
抗不安薬
一般名 | 商品名 | ジェネリック医薬品 | 製薬会社 | |
ペンゾジアゼピン系
抗不安薬 |
ロラゼバム | ワイパックス | ||
抗うつ薬 SSRI | フルボキサミン | ルボックス | ||
三環系抗うつ薬(TCA) | クロミプラミン | アナフラニール |
【出典】…「うつ病治療.comのお薬一覧」…http://薬.うつ病治療.com/medicine.html から作表化
商品名 | ジェネリック | 製薬会社 | |
抗うつ薬 (SSRI,SNRI) | デプロメール・ルボックス(SNRI) (第4世代)
トレドミン(SNRI)(第4世代) パキシル(SSRI) (第3世代) ジェイゾロフト(SSRI) (第3世代) ルジオミール(SSRI) (第3世代) |
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抗うつ薬(三環系など) | アナフラニール(三環系) (第1世代)
ノリトレン(三環系) (第1世代) スルモンチール(三環系) (第1世代) トリプタノール(三環系) トフラニール(三環系) アモキサン(四環系) (第2世代) アンブリット(四環系) ドグマチール(ベタマック) (四環系) (第2世代) テシプール(四環系) |
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気分安定薬 | リーマス(四環系) (第2世代)
デバケン |
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抗不安薬 | ソラナックス・コンスタン
メイラックス セパゾン ワインパックス デパス リーゼ セディール |
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商品名 | ジェネリック | 製薬会社 | |
抗精神薬 | コントミン
ヒルナミン・レボトミン セレネース リスバタール ジブレキサ エビリファィ PZC(ピーゼットシー) |
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睡眠導入訳・その他の処方薬 | ハルシオン
マイスリー レンドルミン(レンデム) ベンザリン トラール
ビオフェルミンRとプルゼード ヒベルナ(抗アレルギー薬) ビタミン剤 アレグラ(抗ヒスタミン剤・花粉症など) 防風通聖散(肥満症に用いる漢方薬) |
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気分安定薬 | リーマス
デバケン |
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抗不安薬 | ソラナックス・コンスタン
メイラックス セパゾン ワインパックス デパス リーゼ セディール |
【2】うつ病(Depression,D,F32))と副作用
- cf) セロトニン症候群(Serotonin Syndrome/Serotonin Toxicity)
(出典 : 平成22年3月 厚生労働省、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」)
・セロトニン症候群とは…抗うつ薬(特にSSRIなどのセロトニン計の薬物の服用中に出現する副作用。
服薬開始数時間以内に症状が表れることが多い。服薬中止とともに、通常は24時間以内に症状は消える。
ごく稀に、横紋筋融解症、腎不全などの重篤な結果に陥ることがある。
・症状… 精神症状 : 不安、混乱する、いらいらする、興奮する、動き回るなど。
錐体外路症状 : 手足が勝手に動く、震える、体が固くなるなど。
自律神経症状 : 汗ょかく、発熱、下痢、脈が速くなるなど。